3.実 習

実習とは、班ごとに分かれて行われる実技を伴う授業のことです。

※実習風景の画像は過去のものです。現在の実習服とは異なります。また、年度によって製作    
 するものや品物の形状を変更することがあります。

1年生

ガス溶接
 ガス溶接の基礎を学びます。酸素とアセチレンを燃焼させ発生した熱(3000~3500℃)で溶接を行います。
 実際に溶接で作品を作ったり、溶断(熱を利用した鉄の切断)をしたりします。
 皮の手袋やエプロン、防じんマスク、遮光グラスを使用して安全に作業を行います。

旋 盤
 旋盤は丸棒の切削を行います。バイトという刃物を旋盤に取り付けて、材料を高速回転させて切削をします。
 バイトによって様々な加工ができ、旋盤の技能習得は工科高校の中心的な実習です。

板金・手仕上げ
 板金実習では、鋼板の薄板を金切りばさみで切断し、曲げたり、リベットで接合したりしてペン立てを作ります。
 手仕上げ実習では、弓ノコを使って鉄を切削したり、様々なやすりを使用して削ったり、ねじ山を切ったりしてメモホルダを作ります。
 1年生の実習はどれも基礎・基本の学習が中心です。工具や測定器具などの扱い方を重点的に学びます。

◎2年生

アーク溶接
 アーク溶接は、電気の力を使ってアーク(火花)を発生させ、その際に発生する熱(4000~5000℃)で主に厚板の溶接を行います。また、実習の課題はアーク溶接技能検定の実技試験も兼ねています。

旋 盤
 2年生の旋盤では、1年生の旋盤で学んだ基礎を活かして更に難しい切削方法を学びます。
また、実習の課題は旋盤技能検定の実技試験も兼ねています。

フライス盤
 フライス盤は、旋盤とは違い材料を移動させ切削を行います。鉄と真鍮を用いて文鎮の製作を行います。立てフライス盤を使用して作業をします。

制御・特機(特殊機械)
 制御では、決められた手順に沿って動作させるシーケンス制御について学習します。特機では、タレット旋盤や研削盤、ホブ盤などの様々な特殊機械についての勉強を行います。

CAD(コンピューターエイディッドデザイン)
 コンピューターを使って図面を描くものをCADと呼びます。従来の紙と定規、鉛筆で描く手描きの図面と違い、CADで描いた図面はそのデータをそのまま工作機械(マシニングなど)に送り、加工することができるため広く普及しています。

TI(テクニカル・イラストレーション)
 プラモデルの組み立て図のように、物体を斜め方向から見た図を描く手法をテクニカルイラストレーションといいます。
 複数の部品が組み立てられるときの位置関係を表すときなどに用いられます。

◎3年生

フライス盤
 3年生のフライス盤ではミニバイスを製作します。2年生で学んだ技能を活かして、より精度の高い作品を作ることを目標にします。     

原動機    
 現在最も普及しているガソリンエンジンの構造を学びます。実際にエンジンを分解し、内部構造や仕組みについて勉強します。

工場板金
 1年生で学ぶ板金について更に発展した内容を学びます。 曲げ板金3級技能士の実技試験を課題に、薄板の切断・曲げ加工の技能を身につけます。

コンピュータ
 パソコンの基本的な操作方法と、Word、Excelの使い方を学びます。

品質管理
 モノづくりにおいて、不良品を市場に流通させないことは非常に重要です。品質管理では、一定の品質を保つためにはどうするかといった知識や、製品の検査法について学びます。

機械検査
 機械検査3級技能士の課題を中心に学習し、材料の外径、内径、段差、深さの測定やねじの有効径測定、マイクロメータの器差測定を行います。
 

材料試験
 材料の硬さ・強度・伸びなどを様々な試験機を使用して調べます。その他にも、ノギスやマイクロメーターで測定した値の取り扱い方や、材料の平面度の検査などについて学びます。

NC(数値制御)
 コンピューターでプログラムを作成し、マシニングセンタと呼ばれる機械で工作物を自動加工します。現在のモノづくりでは、NCの技術が多く使われています。

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